職長教育：監督・指示の方法
2024/12/26
事業者は、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者に労働安全衛生法第60条で定められている「職長教育」を実施することが義務づけられています。
今回は、職長教育で大切な内容についてシリーズでご紹介してまいります。
Contents
監督・指示とは
指示とは、「その日の作業目的や作業内容を作業者に確実に理解させ正しく指図すること」です。
監督とは、「作業者が誤りなく確実にしているかを確認すること」です。
監督体制の整備
職長が求められる監督力は、知識力、技能力、指導力、状況判断力、統率力、対応力、判断力、問題解決力、人間関係形成力、率先垂範などさまざまな力量を備えた監督力が求められます。
職長は、準備作業、本作業、後始末作業の3作業において指示および監督をおこないます。
準備作業では、「作業の配置状況」、「材料、工具、作業設備、段取り状況」、「ＴＢＭ（ツールボックスミーティング）とKYM（危険予知ミーティング）」、「作業開始前点検」、「作業指示」について監督をおこない、作業を進める準備をします。
本作業では、「不安全状態、不安全行動の発見」、「打ち合わせ指示通りの作業実施」について監督をおこない、必要に応じて指導、是正指示をおこないます。
後始末作業にでは、「作業の仕上がり具合」、「整理・整頓の状況」、「作業者や材料、工具などの異常の有無」について監督をおこない、作業の仕上がり具合を確認します。
職長は、一人ひとりに役割分担を与え、権限と責任を決め実行する監督体制の整備をＰＤＣＡサイクルでおこないます。
指示の方法と指示の仕方
職長は、作業者に指示しても指示の仕方や伝える内容に問題があることもあり、期待通りの結果を得られるとは限りません。
効果的な指示の仕方として、職長は指示の５原則を心得ておき５W1Hなどを活用して伝えると良いでしょう。
明確に
まず指示者が内容を理解すること、そして指示内容は具体的におこなう。
単なる取次や暗示的な言い方の指示はおこなわない。
分かりやすく
専門用語の多用や紛らわしい言葉は避ける。
例えば「アースをとれ」と伝える場合は、アースを外すのかまたはアースを取り付けるのか、理解できるように伝える。
急所を忘れずに
気をつけなければならないところ、カンやコツを伝える。
理由を話して
必要性、重要性、緊急性を話して相手の理解を助ける。
納得を確かめる
相手の立場や気持ちにたって指示を心掛ける。
人間関係力の形成
職長は、作業者の協力を得て職場の目標を達成することができます。
そのためには、快適な職場環境の形成と良い人間関係づくりから始めることです。
一例になりますが、職長は以下内容について十分に心に留めて作業者と接することが大切です。
- 十人十色という言葉が知られているように一人ひとりの違いを認め、各々の個性を活かしを活かしていく。
- 批判や評価をせず一人ひとりをリスペクトして公平に接する。
- 意見や考え方が違っても対立せずにそもそもどこに問題があるかというボトルネックにおける原因追究、作業者には解決思考で検討する。
- 作業者一人一人の耳を傾け傾聴を心掛ける。
- 時には褒め、時には叱る。
リーダーシップ能力の向上
リーダーシップとは、職場の目標達成のためにグループをまとめてリーダーとして力を発揮することです。
職場の目標達成のためにに向かって作業者のモチベーションを高め、積極的に取り組めるような状況を作り出すことが職長に求められます。
そのためには、以下内容が要求されることを職長は理解しておくことが大切です。
- 方針を明確に示す。
- 何が重要で大切であるか考えを示す。
- 一人ひとりの役割分担と責任、言々を明確にする。
- 問題解決に集中して努力する。
- 問題解決には全員で取り組み、建設的意見を述べ、中心的役割を果たす。
- 自己研鑽に努め、自己主張して自信を示す。
- 作業者に対する感謝の気持ちを表し、一人ひとりの貢献を認め、激励する。
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