上手に叱る技術を身につければ相手とのギャップを埋めることができる
世の中には上手に叱ることができない人や叱ることができない人も多くいらっしゃいます。
今回は、「上手に叱る技術を身につければ相手とのギャップを埋めることができる」についてご紹介します。
叱ることができなくなっている時代
最近、叱ることが苦手な人、叱り方が分からない人、間違って叱っている人、できれば叱りたくない人などが増えています。
叱った結果、「叱ることが苦手だ」、「できれば叱りたくない」、「叱って後味が良くない」、「こんなことなら叱らなかったら良かった」、「人間関係を壊したくない」、「叱ると辞めてしまうのか」などと思うこともよくあります。
しかし、叱ることを避けていればいつまでたっても苦手意識から脱却することができず、また部下に叱ることを放置すれば適切な指導もできなくなり、マネジメントの観点からも好ましくありません。
叱ることは悪というような風潮も蔓延しているように感じる世の中ですが、叱ることが悪いことではありません。叱り方が問題なのです。
なぜ人は叱れないのか・叱ることを避けるのか
一つは今の世の中を象徴している背景、ハラスメントです。
厚生労働省が発表している「個別労働紛争解決制度の施行状況」によると民事上の個別労働紛争相談件数は年々増加傾向です。
上の図は過去12年間をまとめたものになりますが、いじめ・嫌がらせ件数も増加傾向であることがデータから明らかにされています。
なぜこのようなことが起きるかというと、一つはパワハラに対する意識の向上が挙げられます。
一つ目はパワーハラスメントの認知度向上が挙げらます。
パワーハラスメントという言葉は、和製英語で2001年に生まれ、この数十年で一気に日本社会に普及しました。
そして二つ目は、褒める文化の台頭です。
パワーハラスメントが生まれた時代と同じくして、日本の学校現場や企業においても褒めて伸ばすという考え方が定着しました。
褒めることを奨励しすぎたあまり、いつの間にか叱ることが減少し、不得意となり、悪としてみなされる文化が築きあげられ、叱りにくくなりました。
叱られることになれていない部下、叱り慣れていない上司の間には、ギャップが生まれます。
社会の論調もあり、悪循環社会が形成されるのです。
叱ることには大きな意味がある
しかし、叱ることには大きな意味があります。
上司は叱ることでチーム内で発言力に保持することができます。
叱ることを放置していると「この上司は絶対に叱らない人だ」と思われ、軽視されることもあるでしょう。
叱ることで、自分では気づかなかったことに気づかせてくれる、間違いを正してくれる、軌道修正することができる、自己成長させることができます。
ですので、叱ることは悪ではない、叱ることは相手の成長のためでもあるということはとても大切なことであるのです。
叱ることはコミュニケーションの1つです。
自分の思いを伝える、相手の思いも理解することを通じて接し、叱ればギャップを小さくすることもでき、相手の自己成長を促進させる一途になります。