木登り名人から学ぶ攻守作業における気の緩み
2022/09/14
吉田兼好の徒然草の第百九段に木登り名人の話があります。
今回は、木登り名人の話をご紹介します。
木登り名人
昔、木登りの名人と呼ばれる男ががいました。
その名人が、弟子に、高い木に登らせ、木の枝を切らせていました。
弟子が、高くて危ない場所で木の枝を切っているときはその名人は何も言わずに黙って見ているだけでした。
しかし、弟子が木の枝を切り終わって高い場所から低い場所まで降りてきたとき、名人は初めて声を掛けました。
「注意して降りなさい。」
わたしは、不思議に思って、「名人、あれくらいの高さになったら飛び降りることだってできるのにそんなことを言うのですか?」と聞いたところ、その名人はこう答えました。
「高いところで木の枝が切っているときは気をつけているので何を言うこともありません。失敗は、もう大丈夫だと思って油断して簡単なところで起きてしまうのです。」
このお話から学べること
高所作業においても高いところで作業しているときは、注意を払っているので高い意識で作業をします。
しかし、比較的低いところでの作業の場合、だいじょうぶと思い、つい油断して事故・災害に至るケースも少なくありません。
労働安全衛生法で、高所作業は2メートルと規定されています。
2メートルを超えると死亡率が高くなるため、定義づけらてています。
2メートルでも10メートルでも高所作業には変わりはありません。
高所作業においてはよりいっそう気を引き締め作業していきましょう。